吐き気止め薬として一般的な「ドンペリドン」について、厚生労働省は4月、投与を避ける「禁忌」の対象から妊婦を外すことを決めた。
 妊娠中に服用しても胎児へのリスクが高まらないとのデータが集まったためで、医師が「治療上の利益が危険性を上回る」と判断した場合に妊婦にも使えるようになる。

 
 ドンペリドンは慢性胃炎に伴う吐き気や胃もたれに処方される薬。女性が妊娠に気づかずに服用した後、実はつわりだったと判明する事例が多かった。禁忌と知り不安を感じた女性が人工妊娠中絶を選択する可能性があるとして、日本産科婦人科学会などが禁忌解除を要望していた。

 ただこれまでと同様につわりは適応外で、つわりの治療目的で用いる薬ではない点に注意が必要だ。
 薬は妊婦への臨床試験が難しく、ドンペリドンは開発段階の動物実験で大量投与した場合に胎児に奇形を引き起こす作用が示されたことから日本では禁忌とされてきた。
 一方、国立成育医療研究センター(東京)内の「妊娠と薬情報センター」などは2021年、人が服用しても胎児へのリスクは高まらなかったとの研究結果を発表。他国では禁忌でないなどの国内外のデータに基づき、厚労省が解除を決めた。
 情報センターは、妊娠前後の薬に関する情報収集や相談対応のため国が05年に設置。16年からは、免疫抑制剤や降圧剤など、必要性が高い薬の調査研究に取り組み、禁忌解除につなげてきた。
 情報センターへの相談はホームページから申し込み可能で、全国63カ所の医療機関が対応する。センターの後藤美賀子医師は「まずは相談できる場所があることを知ってほしい」と話した。

引用元:
吐き気止めの妊婦禁忌解除 厚労省、内外データ基に(47NEWS)