奄美市の名瀬徳洲会病院は、常勤の医師の転勤により医療体制が維持できないとして来月から産科を休診することになりました。
奄美大島で出産できる医療機関は県立大島病院だけになります。
奄美市にある名瀬徳洲会病院は、奄美大島や周辺の島などから妊婦を受け入れ、昨年度120件の出産を取り扱いました。
しかし、産婦人科に在籍していた2人の常勤医師のうち、1人が今月いっぱいで別の病院に転勤し、常勤の医師1人では出産に必要な医療体制の維持が難しくなるとして、来月から産科を休診することになりました。
後任の医師を確保できる見通しは立っておらず、診療再開の時期も決まっていないということで、名瀬徳洲会病院はグループ内の病院などに協力を仰ぐなどして、産婦人科医の確保を急ぎたいとしています。
婦人科の診療は、これまでどおり行うということです。
これまで、奄美大島では名瀬徳洲会病院が年間およそ100件、県立大島病院が年間およそ200件の出産を扱っていましたが、来月から常勤の産婦人科医4人がいる県立大島病院に出産や診療が集中する可能性があり、大島病院では状況を見ながらベッドの数を増やすなどして対応したいとしています。
【出産できる病院と診療所があるのは15の市と町】
県内では少子化などを背景に産婦人科や産科の休診が相次ぎ、出産できる医療施設の偏在が深刻な課題になっています。
鹿児島県によりますと、県内で産婦人科や産科がある病院や診療所は、ことし4月時点で63か所でした。
しかし、休診したりお産を取りやめたりしている医療施設もあるため、現在、出産できるのは37か所で、10年前より7か所少なくなっています。
また、市町村別でみると、県内43市町村のうち、出産できる病院と診療所があるのは15の市と町で、全体の3割程度にとどまり、そのほとんどは鹿児島市などの都市部に集中しています。
このため、産婦人科や産科の“空白地帯”となっている自治体の妊婦は、遠くの医療施設に通わなければならない状態になっていて、県は、市町村と連携して離島に住む妊婦や遠方の施設に通う妊婦に、出産や検診の際の交通費を助成する事業などを行っています。
少子化による分べん数の減少で医療施設の収益が悪化する中、妊産婦や医療施設への支援のあり方がこれまで以上に課題になっています。
これについて塩田知事は「産科医の複数人体制が維持できるよう、医療関係者としっかり相談しながら県として対応していきたい」と話しています。
引用元:
名瀬徳洲会病院 常勤医師の転勤で産科診療を来月から休診(鹿児島 NEWS WEB)