Q  生まれたての赤ちゃんは感染症にかかりにくいの?

  ヨミドック  お母さんから赤ちゃんに受け継がれる「母子免疫」のおかげです。細菌やウイルスなどの病原体を攻撃するたんぱく質「抗体」を母親からもらうことで、新生児は麻疹や風疹などの感染症を発症しにくくなります。抗体は、体内に侵入した特定の病原体の目印(抗原)に結合し、除去する働きをします。

  Q  へえ、すごいね。

  ヨ  胎内は基本的に無菌状態なので、新生児はいきなり様々な病原体に接触しますが、免疫システムは未熟で、感染症にとても弱い存在です。生き延びる戦略の一つが、母子免疫かもしれません。

  Q  どう抗体をもらうの?

  ヨ  おなかの中で、赤ちゃんは胎盤を通じ、血液中に最も多くある抗体「IgG抗体」を受け取ります。母親がかかったことのある感染症に対する抗体は、出生までに十分蓄積されます。出生後は、母乳に含まれる「IgA抗体」が赤ちゃんの腸管に広がり、腸からの感染を防ぎます。とはいえ、母親が十分な抗体を持たない病気は防げません。

赤ちゃんは感染症にかかりにくいって本当?…妊婦に接種するRSウイルスワクチン登場
  Q  抗体はずっと働くの?

  ヨ  母親からのIgG抗体は徐々に減り、生後6か月頃までにほぼなくなりますが、反対に赤ちゃん自身が抗体を産生できるようになります。

  Q  抗体は大切だね。

  ヨ  今年5月、母子免疫を利用した国内初のワクチンが発売されました。RSウイルスワクチンで、妊娠24〜36週の妊婦に注射し、母体で作られた抗体を胎児に移行させます。生後6か月までの肺炎や気管支炎の予防が狙いです。

 RSウイルスは、生後6か月未満では重症化しやすいとされます。治験では、ワクチンを打った妊婦から生まれた赤ちゃんのグループは、打たなかったグループと比べ、肺炎などを生後3か月で57%、6か月で51%抑えるという結果が出ています。

 百日ぜきやインフルエンザのワクチンも、妊娠中の接種は母親の発症予防だけでなく、子どもへの効果もあると分かってきました。

  Q  じゃあ、推奨できる?

  ヨ  ただ、妊娠中のワクチン接種はこれまで慎重に検討されてきました。副反応も含め、妊婦への十分な説明が必要です。風疹ワクチンなど、病原体を弱毒化した「生ワクチン」は接種できません。(影本菜穂子、取材協力=倉沢健太郎・横浜市立市民病院産婦人科長、高橋尚人・東京大教授)

引用元:
赤ちゃんは感染症にかかりにくいって本当?…妊婦に接種するRSウイルスワクチン登場(ヨミドクター)