国内で年約1万1千人が診断され、約3千人が亡くなる子宮頸(けい)がん。進行すると、子宮を摘出しなければならない場合もある。国が推奨する子宮頸がん検診に、来年度から「HPV検査」が新たに加わる見込みだ。HPV検査とはどのようなものなのか。

【図表】子宮頸がん検診にHPV検査導入へ 30歳以上で5年おき 負担軽く

 厚生労働省の検討会は今年8月、HPV検査を国の検診指針に盛り込むことを決めた。今年度中に指針を改正する方針で、来年度にも自治体検診でHPV検査が導入可能となる。

 30〜60歳について、自治体が「2年に1度の細胞診」か「5年に1度のHPV検査」を選択できるようにする。30歳から5年ごとに受診勧奨する方針だ。

 HPV検査は、現行の細胞診と同様に、医師が子宮頸部の粘膜から細胞を採取して、がんの原因となるウイルスの感染を調べる。細胞診より早い段階でがんとなる可能性が分かり、陰性なら検診の間隔も長くなる。一方、陽性者への長期間の経過観察が重要となり、自治体が導入する際には、体制を整える必要がある。

 国立がん研究センターの2019年度版の検診ガイドラインは、30〜60歳を対象に5年に1度の検診を推奨。海外のデータでは、HPV検査で陰性を確認してから5年が経過した人について、子宮頸がんの手前の状態「高度異形成・上皮内がん」以上を見つける割合は、細胞診で陰性を確認してから2年が経過した人と同程度だった。

 ガイドラインではHPV検査は、細胞診と同じ推奨度(グレードA)に位置づけられている。ただ、検査で陽性でも、将来がんになるのはごく一部で、切除やがんに至らない「偽陽性」となる可能性もある。

 HPV検査では1〜2割が陽性となるとされるが、多くはウイルスが自然に消失する。陽性だからといって、必ず細胞ががん化するわけではない。また、がん化には数年〜数十年かかる。このため、陽性の場合は、HPV検査で採取した検体を使った細胞診を改めて実施し、結果に応じて、精密検査を受けるなど、長期的なフォローアップが欠かせない。(神宮司実玲)

引用元:
子宮頸がん検診に導入、HPV検査とは ウイルス感染調べ 間隔長く(Yahooニュース)