京都大は6日、子宮頸(けい)がんになる前段階の状態「前がん病変」を、薬によって治療する臨床試験(治験)を始めたと発表した。前がん病変は手術以外に有効な治療法がない。薬の有効性が確認できれば、患者の負担が小さく、がんの発症を抑えられる治療法につながる。

 性交渉によってヒトパピローマウイルス(HPV)に感染し、その状態が続くと、一部の人は前がん病変を経て子宮頸がんを発症する。国内では年間約1万人が子宮頸がんになり、約3千人が亡くなるとされる。研究チームによると、前がん病変には年間約15万人がなるという。

 研究チームは、HPVが人の体内で増殖するのに必要な酵素の働きを抑える化合物を開発。細胞や動物を使った実験で安全性や効果を確かめた。

 治験で用いられる薬は錠剤で、膣(ちつ)に入れて使う。まず、健康な成人女性で安全性や最適な投与量を確認する。その後、前がん病変の患者14人に計4週間投与し、HPVが検出されなくなったかや、前がん病変が正常になっているかなどを調べる。患者の募集はしない。治験が順調に進めば、3年後の製品化をめざす。

 研究チームの萩原正敏・京大教授は「前がん病変の段階で治すことができれば、がんを激減させられる」と話している。(野中良祐)

引用元:
子宮頸がんの前段階、薬で治療する臨床試験を開始 京大(朝日新聞)