いつもやってくるはずのタイミングで生理が来ない……。多くの女性がこのようなシチュエーションで思い浮かべるものと言えば、妊娠だろう。生理には一定のサイクルがあり、何らかの原因でその周期が短くなったり長くなったりする。妊娠は生理の時期が遅れる(来ない)要因の代表例だが、病気が原因で生理が来ないケースもあることをご存じだろうか。

妊娠に思い当たる節がある女性でも、生理が来ない背景には疾患が潜んでいる可能性もゼロではないだけに注意が必要となる。本稿では、産婦人科専門医の船曳美也子医師に生理が来ないときに疑われる病気について解説してもらった。
生理で疑われる病気、どんなものがある?
生理で疑われる病気、どんなものがある?

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まずは、正しい生理の周期について理解を深めておこう。

生理の初日から次回の生理までの期間を指す生理周期の正常範囲は、25日から38日と言われている。自身の生理周期がこの範囲内に該当するか否か、女性はきちんと把握しておく必要がある。ただ、そのサイクルは変動し、毎回常に同じ周期でこないといけないというわけではない。6日間までの範囲ならば、早くなったり遅くなったりしても問題はないという。

「月経の期間は3日間から7日間が正常とされています。2日で終わってしまう場合や、8日以上続く場合は注意しましょう。また、量は20g〜140gが正常とされています。『3日間くらいで終わってしまうので心配』と言われる方もいらっしゃいますが、合計量が正常なら大丈夫です。普通ナプキンで小さじ1杯弱くらい、夜用ナプキンで大さじ2杯くらい吸収できるようですので、目安にしてください。また、反対に、夜用ナプキンを頻回に変えないといけない方は、多すぎるかもしれませんので注意しましょう」

生理周期を変動させる主要因はホルモンの乱れ

妊娠以外に生理周期を前後させる主な要因としては、ホルモンの乱れが挙げられる。ホルモンが乱れる原因は、ストレスによる一時的な変化が一般的だ。

生理周期を調整するホルモンは、脳から分泌されている。通常は「1時間半に1回」というリズムで周期的に分泌されているが、強いストレスや体調変化によってリズムが狂うことがあるという。すると、うまく卵が育たずに生理が遅れたり、卵巣からホルモンが十分に分泌されず、生理が早く訪れたりする。

「この『一時的な変化』ではないものとして、『多のう胞性卵巣症候群や早発閉経といった卵巣の疾患』や『甲状腺や脳下垂体のホルモンが関係する疾患』、さらには『極端な体重減少や体重増加』も生理周期を変動させる原因になります」

生理周期が39日以上と遅い場合に疑われる病気で多いのは、多のう胞性卵巣症候群。罹患すると排卵しづらくなったり、排卵時期が遅くなったりするため、生理周期が長くなる。場合によっては、生理が3カ月も来ないケースもあるとのこと。超音波と血液検査でホルモンを調べて診断するが、超音波検査時に卵巣に育つ前の小さい卵胞(卵が入っている袋)がいくつも見えるのが特徴だ。

「多のう胞性卵巣症候群にはいくつかタイプがあります。『比較的やせていて生理周期異常以外に症状がないタイプ』に『男性ホルモンが増えて多毛やニキビが見られるタイプ』、そして『BMIが25以上の肥満タイプ』です。ただ、これらが複合的に重なって出現するケースもあります」

多のう胞性卵巣症候群の治療法は?

多のう胞性卵巣症候群の治療は現在、妊娠を希望するか否かで変わってくると船曳医師は解説する。

「妊娠を希望する場合は、排卵を促すために排卵誘発剤を飲んで卵胞を育てます。薬でも育たない場合は、腹腔鏡手術をする方法や、体外受精で卵子を採ることも可能です。BMIが25以上の場合は、体重を5%落とすだけで排卵しやすくなります」

一方ですぐに妊娠を希望しない場合は、ホルモン療法でホルモンバランスを整えることになる。比較的高用量のホルモン剤を数カ月飲んで休薬して効果をみる方法と、低用量ピルを継続して服用する方法があるとのこと。また、多毛が気になる場合は、ピル内服と並行して美容レーザーの施術や脱毛クリームを使用していくという。

※写真と本文は関係ありません


引用元:
生理がこないときに疑われる多のう胞性卵巣症候群の症状と治療法とは(マイナビニュース)