人気漫画「ちびまる子ちゃん」の作者、さくらももこさんが乳がんのため、8月15日に53歳で亡くなったことが明らかになりました。さくらさんが亡くなった原因の「乳がん」は、40代から50代の働き盛りを中心に増えています。こうした中、東京都や専門家は早期発見で9割以上が治るとして、定期的な乳がん検診を呼び掛けています。
さくらももこさんの命を奪った乳がんに、ファンの女性たちもこの病気に関心を寄せています。追悼の記帳に訪れたさくらさんのファンの女性は「本当に恐ろしい病気と実感した」「若い人でもかかる病気なんだと一気に身近に感じた。自分も検診を受けた方がいいかなと意識するようになった」などと話していました。
乳がんは乳管などにできる悪性の腫瘍です。厚生労働省によりますと、乳がんで亡くなる人の数は年々増加していて、他のがんに比べて40歳代後半から50歳代前半にピークを迎え、比較的若い世代で発症しています。
東京・北区にあるクリニックには、1日およそ20人ほどが乳がん検診や自覚症状を訴えて訪れるといいます。この日検診にやって来たのは、都内に住む48歳の女性です。「年齢的にももし乳がんだとすると進行が早いと聞き、気になっていた。検査しなければと思いつつ、ずっと延びていた」と話していた女性は、検診を終え「ちょっと緊張したが、やっぱり受けてよかった」とほっとした表情で語りました。
乳がんの検診方法は2つあり、エコーを直接当てる超音波検査と、乳房をエックス線で撮影するマンモグラフィーです。違いは、超音波検査が得意とするのはしこりの発見で、数ミリ単位で良性か悪性かを判断します。一方のマンモグラフィーは「しこりを作る前のがんを見つける。幹細胞のあるところに特徴的な石灰の沈着が見つかるが、かすかな石灰化を見つける検査がマンモグラフィー」(おりはた乳腺胃腸パラスクリニック・織畑剛太郎院長)といいます。また、月に1度、自分で胸をなでるように触るセルフチェックも大事だということです。
織畑院長は「40歳後半や50代は家庭や会社で忙しいと思うが、早期に見つかれば入院も4〜5日の手術で終わり、薬の治療もいらない状態にもなるので、ぜひ早めに診断、治療を受けてほしい」と話し、乳がんは早期の発見と治療で9割以上が治るとして検診の重要性を訴えます。
東京都によりますと、都内の乳がん検診の受診率は10年前に比べて伸びてはいるものの、39%にとどまっています。東京都・福祉保健局の中坪直樹課長は「受診しない理由は『健康に自信があるから』『受ける時間がなかったから』という回答が目立っている」といいます。
今や、乳がんは日本人女性の11人に1人がかかるといわれています。東京都は、40歳になったら2年に1回は検診を受けるよう、呼び掛けています。
<乳がん検診の重要性 早期発見で9割治る>
実際に乳がん検査を受けた40歳以上の女性のうち、どれぐらいの割合でがんが見つかったのか、詳しく見てみます。
2014年度、東京都内の自治体が実施する乳がん検診を受けた40歳以上の女性は、27万9167人でした。その9割に当たる25万3557人は「異常なし」の結果でした。一方、1割に当たる2万5610人は「精密検査が必要」という結果でした。
「精密検査が必要」という結果が出た人のうち744人は、その後、精密検査を受けていません。精密検査を受けた人では、「異常なし」が8935人、がんが発見された人が1008人(検診を受けた全体の0.36%)でした。
また、がんは「早期の発見」が治療する上で重要です。乳がんの進行度を表す「ステージ別の生存率データ」を見てみると、ステージIの“早期発見”で治療をした患者の場合、「5年相対生存率」=治療で命を救えるかを示す指標は99.9%で、ほぼ全ての人が5年後も生存しています。しかしその一方で、がんは進行するほど他の部位への転移なども進み、生存率は低くなっていきます。
がんの症状が現れる前に検診などで早期に発見し、治療することが命を守ることにつながります。
引用元:
人気漫画家の命奪った「乳がん」 早期発見・治療で9割治る可能性(TOKYO MX)