初産の妊婦と0歳児母子の交流に静岡県内の市町が本腰を入れている。本物の赤ちゃんと触れ合ってよりリアルに産後の生活をイメージしてもらい、育児を妊娠期から切れ目なく支援するのが狙い。「楽しい生活になりそう」と参加者双方に好評だ。
 「こんなに赤ちゃんに表情があるなんて。子育ては不安だけど、思っているより楽しそう」。第1子出産を控える静岡市内のパート女性(34)は9月、市の城東保健福祉、城東子育て支援両センターが共催した講座「あかちゃんとたのしくあそぼ」に参加した。生後半年までの“先輩”母子の輪の中で時折、赤ちゃんを抱っこさせてもらい、触れ合い遊びを楽しそうに学んだ。
 産後の生活は妊婦や夫を対象にした「マタニティー教室」などで人形の赤ちゃんをモデルに学ぶのが一般的。しかし「少子化で赤ちゃんをお世話する経験がないまま親となり、育児に戸惑うケースは多い」(遊びの解説役を務めるAmi助産院の近藤亜美助産師)ため、両センターは2014年度から講座を年3回開き、毎回およそ母子15組と妊婦5人が参加している。
 支援センター長の保育士納本裕子さん(41)は「妊娠期から、赤ちゃんと過ごすためのベースができ、母子に笑顔が増えれば、と続けている。参加者が妊婦の友人に講座を勧めるなどママからママへつながりもできている」と手応えを話す。

三島市は15年度から妊婦と先輩母子が交流する「産前・産後ケアセミナー」を年6回開催。会前半は母親が託児で心身をリフレッシュする間、妊婦は助産師の話を聞いたり、赤ちゃんと触れ合ったりし、後半は両者が合流して出産や育児について話し、交流する。それまで妊婦と母子は分けて支援していたといい、保健師の中野咲子さん(42)は「双方が明るい表情で帰宅する姿が印象的。今後も続けたい」と意気込む。
 先輩母子が多く集う支援センターを妊婦に知らせる「マイ支援センター」登録制度を15年度に始めたのは島田市。16年度は出産前の「パパママ教室」会場に支援センターを初めて加え、先輩母子との交流を盛り込んだ。市子育てコンシェルジュの河野弥生さん(46)は「『妊婦さんも、いつでもセンターにきてね』と周知しても出産前はハードルが高い。きっかけをつくってつながり、切れ目なく支援したい」と話す。
 子育て支援ひろばで「妊婦支援」講座を14年度に始め、先輩母子との交流に取り組む浜松市によると、働いている妊婦に対する講座の周知が課題という。

引用元:
妊婦と“先輩”母子に交流の場 静岡県内市町、取り組み本腰(@S[アットエス] by 静岡新聞)