Variants in the fetal genome affect preeclampsia
Nature Genetics

胎児のゲノム塩基配列と妊娠高血圧腎症の関連が初めて発見されたことを報告する論文が、今週のオンライン版に掲載される。

妊娠高血圧腎症は、妊娠時の疾患の1つで、高血圧を特徴とし、尿タンパク量が著しく多い症例が多い。この疾患は、妊婦の約5%が罹患し、妊婦と新生児が死亡する原因の主たるものだが、その発生原因は今もよく分かっていない。これまで母親のゲノム塩基配列に着目した研究が行われてきたが、妊娠高血圧腎症と関連する塩基配列は見つかっていなかった。

今回、Linda Morganたちの研究グループは、妊娠高血圧腎症に罹患した妊婦から生まれた子どもに着目したゲノムワイド関連解析を実施し、妊娠高血圧腎症との有意な関連が認められるバリアントを新たに2つ同定した。これらのバリアントは、血管新生に関与する受容体をコードするFLT1遺伝子の近くに位置している。この受容体の一種が胎盤で発生し、妊娠高血圧腎症の病理に関係していることは、これまでの研究で明らかになっている。Morganたちは、今回の研究で妊娠高血圧腎症のリスクと関連する遺伝的変異が初めて同定されたことを指摘して、FLT1遺伝子とそれに関連する経路の研究をさらに進めて、妊娠高血圧腎症の発生に関する解明を進める必要があると結論づけている。

DOI:10.1038/ng.3895 | 英語の原文 
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。


引用元:
胎児ゲノムの複数のバリアントが妊娠高血圧腎症に悪影響を与えている(Nature Asia)