ぷよぷよした頬の赤ちゃん、きょとんとした表情の幼児、じゃれ合う子犬や子猫。そんな「可愛い〜」と感じるものを前に、思わず、パクッとかじりつきたくなることってありませんか?

それとも可愛くて愛おしいものに噛み付きたくなるなんて「異常な反応」なのでしょうか?

この記事では、人類学を学んだ筆者が「なぜ可愛いものをかじりたくなるのか?」について、「3つの科学的な説明」を紹介します!
(1)多くの人々が持つ「キュート・アグレッション」

イェール大学の心理学者オリアナ・アラゴン氏とレベッカ・ダイアー氏は、2015年にこんな研究を発表しています(★1)。

この研究ではまず、被験者に「いくらでも潰していいですよ」と「気泡緩衝材(プチプチ)」を渡し、以下のような3つのグループに分かれてもらったといいます。


1:面白い動物の画像を見る

2:可愛い動物の画像を見る

3:面白くも可愛くもない中立的な動物の画像を見る

すると、2の「可愛い動物」の映像を見たグループの方が、他の2つのグループに比べ、「プチプチ」を握り潰した回数が多かったとのこと。

こうした「キュートなものを見て、思わず全く反対にも見える攻撃的な反応をしてしまう」ことを、「キュート・アグレッション(可愛い攻撃性)」といい、多くの人々が普遍的に持つ行為といいます。

柔らかい赤ちゃんや子犬をぎゅっと強く抱きしめたくなったり、思わず噛み付きたくなるのも、実はヒトとして、とても自然な反応のひとつなんですね。



(2)脳の勘違い

一方、被験者に赤ちゃんの匂いをかがせたり、赤ちゃんの映像を見せ、fMRIで脳の様子を見た研究(★2)では、赤ちゃんの匂いや写真を見て活性化した脳の部分が、美味しいものを目にして「食べたい!」と感じる場合に活性化する「脳の箇所(新線状体)」と、酷似していたといいます。

可愛い赤ちゃんを見て、思わずかじりたくなるのは、こうした生理学的な「脳の勘違い」のためでもあるといわれています。



(3)哺乳類の習性

哺乳類の多くの種には、じゃれあって遊ぶ習性があるとされています。そうした“遊び”のなかに、“甘噛み”があります。本気で歯を立てては噛まないけれど、ハムハムと噛む行為です。

生物人類学者のグエン・デワー氏によると、甘噛みには次のような意味があるといいます(★3)。


・強く噛んで相手を傷つけないよう自らの衝動をコントロールする練習

・「本気では噛まないよ」と示し相手との信頼関係を築く

・愛情表現

人間が愛おしく感じるものにかじりつきたくなるのも、もしかするとこうした「哺乳類の習性」の表れなのかもしれません。



こうした3つの説明をみても、可愛いものをかじりたくなるのは“異常な性癖”でもなんでもなく、とても”自然な反応”なんですよね。

可愛いく愛おしい存在を前に、心赴くままの自然体で、たっぷりと愛情表現してあげたいですね。

引用元:
「食べちゃいたいくらい可愛い!」には科学的根拠がある!?(It Mama)