りんご病(伝染性紅斑)は、子供だけではなく大人も感染する病気です。その中でも妊婦に感染すると、その妊婦にだけではなく、胎盤を通じて赤ちゃんに影響することもあります。今回は、妊婦のりんご病感染について解説します。
◆妊婦がりんご病に感染。どんな症状が見られるの?
りんご病は、頬に赤い発疹ができる病気で、子供によく見られることはご存知の方もいるかもしれません。しかし、実は子供にだけ発症する病気ではなく、大人でも発症することがあります。その中でも、もし妊婦がりんご病を発症すると、妊婦だけではなく、お腹の中にいる赤ちゃんにまで影響することが知られています。妊婦や赤ちゃんにどのような症状が出てしまうのでしょうか?
まず、妊婦をはじめ、大人がりんご病を発症することで見られる症状には以下のものがあります。
関節痛
頭痛
手足のこわばりなど
子供と比べて大人では不顕性と言って、感染していたとしても症状が現れないということがあります。ただし、上記のような関節炎症状が見られる場合もあることには留意しておきましょう。
それでは、お腹の中にいる赤ちゃんにはどのような症状が表れてしまうのでしょうか。
胎児水腫
胎児が重い貧血にかかり、腹水や胸水といった体内への水分貯留が見られること
妊婦がヒトパルボウイルスB19に感染すると、胎児も感染してしまうことがあります。胎児が感染すると、貧血状態になり、心不全を発症することで胎児水腫という病気にかかることになります。妊婦がりんご病を発症することで胎児になぜこのような影響が見られるのか、もう少し詳しく説明していきます。
◆妊婦のりんご病に感染すると赤ちゃんにどんな影響があるの?
まず、国立感染症研究所のホームページに掲載されているりんご病と胎児水腫の関係について紹介します。
B19感染症で注意すべきものの一つとして、妊婦感染による胎児の異常(胎児水腫)および流 産がある。妊娠前半期の感染の方がより危険であり、胎児死亡は感染から4〜6週後に生ずる ことが報告されているが、妊娠後半期でも胎児感染は生ずるとの報告もあり、安全な時期につ いて特定することはできない。しかし一方では、妊婦のB19感染が即胎児の異常に結びつくも のではなく、伝染性紅斑を発症した妊婦から出生し、B19感染が確認された新生児でも妊娠分 娩の経過が正常で、出生後の発育も正常であることが多い。さらに、生存児での先天異常は 知られていない。したがって、妊婦の風疹感染ほどの危険性は少ないが、超音波断層検査な どで胎児の状態をよく把握することが必要である。
りんご病の原因ウイルスであるヒトパルボウイルスB19は、赤血球ができるために必要な赤芽球の前駆細胞(前の段階の細胞)に感染することが知られています。その結果、赤血球が減ることとなり、貧血を起こす原因となりえます。妊婦がヒトパルボウイルスB19に感染し、りんご病を発症すると、胎盤を通して胎児もそのウイルスに感染することになります。もちろん、感染した胎児は貧血になります。
恐ろしいのは、前述したように、胎児の貧血は心不全を引き起こす可能性があるということです。心不全を引き起こした胎児は、大人と同様に体内に水分を貯め(心臓が悪いと浮腫むことと同じです)、流産や死産につながってしまうことになります。※今回は最悪の場合を想定して解説していますが、ヒトパルボウイルスB19に感染しても分娩経過や発育は正常である場合も多いです。
◆妊婦のりんご病に対する治療法とは?
それでは、妊婦のりんご病に対する治療法はどのようなものがあるのでしょうか。実はりんご病そのものに対する治療法は現状では存在しないので、つらい症状を取る治療法(対症療法)を行うことしかできません。そのため、感染を予防することが非常に大事になります。流行時期に風邪の初期症状のような症状がある人には近づかない、マスク、うがいを徹底するなど、標準的な予防策を心がけましょう。
今回は、妊婦がりんご病を発症した場合の症状について主に解説してきました。赤ちゃんに影響する場合もありますので、感染予防に努めることが大事です。
引用元:
<妊婦のりんご病には注意>症状・赤ちゃんへの影響・予防法について解説(MEDLEY)