西宮市の小学生が、市内の新生児に手紙を贈る取り組みが好評だ。2006年から始めた「赤ちゃんへの手紙」事業。これまでに同市に出生届を出した約3万人に手渡され、新たな命の誕生の喜びを分かち合ってきた。今年度からはコミュニティーFMや市公式ツイッターでも紹介。来年2月には、手紙をまとめた2冊目の本が発売される。(清家俊生)

 「赤ちゃんへの手紙」は06年に同市の市民団体が企画。赤ちゃんの誕生を祝福するとともに、児童に命の尊さについて認識してもらおうと始めた。07年から市が単独で実施している。

 手紙は例年、全校の2〜6年の児童が書き、集まった1200〜1500人分を市職員が校正し、1人分ずつにまとめて渡している。今年度からは、子供らしいありのままの表現で伝えようと、校正はせず、サイズもA4用紙から、母子手帳に挟めるように小さくした。

 「西宮に生まれてきた赤ちゃんへ」と題した手紙には、「生まれてきておめでとう。生きていると、いろいろとたのしいことがいっぱいあるよ」「大きくなったらあいたいな……」など、子供たちの素直な気持ちがつづられ、イラストが添えられたものもある。

 市は広く事業を知ってもらおうと、4月からコミュニティーFM「さくらFM」の番組内で紹介を始め、今秋には、1人分ずつ市公式ツイッターに書き込んで発信も始めた。市には、「感動した」「もっと読みたい」などの声が届いているといい、11年9月に続いて2冊目となる本が来年2月に、市内の一部書店などで販売されることが決まった。

 2年前に手紙を受け取った同市の女性(41)は今月、2歳の長女に初めて読み聞かせた。「うまれてきてくれてありがとう。私はあなたの家族じゃないけどうれしいよ」。長女は恥ずかしそうなそぶりを見せて、笑みを浮かべた。女性は「いずれこの子が、誰かのためにこれを書く日が来るのかと思うと、感慨深いですね」とほほ笑んだ。

 事業を担当する市文化振興課の安福聡子係長は「命の大切さだけでなく、市民のつながりを感じてもらえる機会になれば。事業を生かした新たな取り組みも考えていきたい」と話している。問い合わせは同課(0798・35・3425)へ。



引用元:
新生児へ手紙 3万通…西宮・児童ら10年目(読売新聞‎)