多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)では、卵巣の異常により正常な排卵ができなくなり、ホルモンのバランスが崩れることで、不妊や体重増加などが引き起こされます。体重を減らす治療によって、不妊に対する効果があるが検討されました。
◆PCOSと過体重、不妊の人が減量
この研究は、18歳から40歳の女性でBMI(体重÷身長の2乗、25以上で過体重)が27から42の過体重または肥満であり、PCOSにより不妊が起こっている人を対象としました。
対象者は次の3グループにランダムに分けられ、16週間の治療を受けました。
•経口避妊薬のエストラジオール、ノルエチンドロンを使う(経口避妊薬群)
•カロリー制限、食事改善、薬剤、運動による減量治療を行う(生活習慣群)
•経口避妊薬と生活習慣治療の両方を行う(組み合わせ治療群)
経口避妊薬は女性ホルモンの働きがあり、PCOSで起こる月経周期の異常を治療する効果があります。
上の治療ののち、対象者は排卵誘発による不妊治療を受け、出産に至った割合を比較されました。
◆排卵率が増加
次の結果が得られました。
ベースラインと比べて、また経口避妊薬群と比べて有意な体重減少が、生活習慣群(平均体重減少-6.2%、95%信頼区間-7.4から-5.0)、組み合わせ治療群(平均体重減少-6.4%、95%信頼区間-7.6から-5.2)でともに達成された(ともにP<0.001)。
累積排卵率は減量後が勝っていた。経口避妊薬群で46%、生活習慣群で60%、組み合わせ治療群で67%だった(P<0.05)。生産率は経口避妊薬群が12%、生活習慣群は26%、組み合わせ治療群は24%だった(P=0.13)。
生活習慣群、組み合わせ治療群で体重が減少し、経口避妊薬群と比べて排卵が多くなりました。出産に至った割合には統計的な違いが見られませんでした。
研究班は「妊娠前の減量治療は経口避妊薬の有害な代謝作用を排除し、経口避妊薬による治療前と比べて、より高い排卵率につながる」と結論しています。
体重を減らすことで出産しやすくする効果は確かめられませんでしたが、卵巣の機能に対して良い影響があるのかもしれません。
◆参照文献
Randomized Controlled Trial of Preconception Interventions in Infertile Women With Polycystic Ovary Syndrome.
J Clin Endocrinol Metab. 2015 Sep 24 [Epub ahead of print]
引用元:
不妊の原因になる多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)、排卵を増やした治療とは?(MEDLEY)