今回は、当センターの不妊治療の特徴として患者さんを診る診療時間についてお話ししましょう。
当センターの特徴として、時間をかけて患者さんお一人一人を診ています。最短でも一人の患者さんあたり10分ぐらい、初診の患者さんですと、30分以上はかかります。患者さんの状態を知るには検査結果を総合して判断しなければならないので時間がかかります。
例えば、卵胞(卵子を入れている袋)の発育を診るにしても超音波断層装置による、卵胞の大きさとその卵胞から分泌されるエストラジオールというホルモンや、頭の下垂体から分泌され卵胞の発育を刺激するFSH(卵胞刺激ホルモン)、LH(黄体化ホルモン)の値を総合して判断しないと正確な評価はできません。
これらの総合評価によって、さらに注射を打ち、お薬を飲んでいただくことを判断しています。患者さん一人一人は、同じ注射やお薬を投与しても、反応は人間ですので機械とは異なり人により様々です。よって、一人一人を診る時間が長くなります。
また、患者さんも自分の状況を説明されても理解されるのに時間がいると思います。2、3回説明を繰り返す場合もあります。ですので、患者さんが自分の治療の状態がどのようになっているのかを理解するには、ゆっくり時間をかけて説明することが大切であると感じています。





ここに厚生労働省が調べたデータがあります。診療時間別にみた診療時間に対する満足度です。3分未満ですと診療に対する満足度が低いですが、10分以上になるとほぼ満足度は一定になります。
私どもも心がけて、十分に時間をかけます。時間が少ないと、この結果のように患者さんの満足度も低くなりますが、我々医師にとっても、患者さんを診た満足感が減ります。このように言っても一日の患者さんが多い施設ですと、一人一人に時間をかけると、あとの人の待ち時間が長くなるため、なかなか一人の患者さんの診療時間を長くすることはできません。
私どもは診療医師が6人いて、十分な診察時間を確保していますし待ち時間はそれほど長くないと思います。また、その日受診したすべての患者さんの状態は、カンファレンスにおいて皆で話し合いこれからの治療法を検討し、それぞれの患者さんの治療を再確認しています。
もし、どこかの施設で治療をしていただいていて、今のご自分の状況がわからない時はぜひ当センターに受診していただき、今の自分の状況を本人としても理解していただければ幸いです。


引用元:
国立成育医療研究センターの不妊治療の特徴A(朝日新聞‎ )