米国予防医療特別委員会(USPSTF)が2015年3月24日に、無症状の成人に対する甲状腺機能のスクリーニングを行うべきではないという勧告を行ったことを受けて、米国内分泌学会は、妊娠中および妊娠を望む女性で、甲状腺疾患のリスクが高いと見なされている人は、スクリーニングを受けるべきだという反論を行った。
米国内分泌学会が、2015年3月26日に発表している。
甲状腺機能不全が高リスクの女性
甲状腺機能検査は通常、甲状腺機能低下、甲状腺機能亢進、甲状腺腫などの症状や徴候を示している人、および甲状腺放射線治療歴のある人に対して行われている。
内分泌学会は普遍的スクリーニングを勧めているわけではない。しかし、特定の状況、特に妊娠との関連においては甲状腺機能スクリーニングを強く支持している。
妊娠を望んでいる女性で、甲状腺の病気について「高リスク」と見なされる人は検査を受けるべきである。
「高リスク」と見なされるのは、30歳以上の女性で、家族に甲状腺の病気がある、甲状腺の自己免疫疾患がある、あるいは甲状腺機能低下、甲状腺腫、これまでに甲状腺抗体を持っていることが分かっている、甲状腺機能不全を疑わせる徴候もしくは臨床的症状、1型糖尿病、不妊症、早産歴、頭部あるいは頸部への放射線治療歴、甲状腺手術歴、現在レボチロキシン置換治療を受けているなどの女性である。
妊娠中の女性で高い
妊娠中の女性に甲状腺の障害が発生する率が高く、妊娠への副作用が知られていることから、学会は、妊娠9週目までの甲状腺刺激ホルモン(TSH)濃度の上昇について、全ての妊娠女性に対する検査を最初の来院時に行うか、少なくとも悪性の病変が見つかった場合には検査を行うよう奨励している。
甲状腺自己免疫のある女性では、妊娠早期で甲状腺機能が正常な場合でも、甲状腺機能低下を発症するリスクがあり、甲状腺刺激ホルモン濃度の上昇を監視する必要があると説明する。
甲状腺自己抗体を持っている女性、産後甲状腺炎の既往症、1型糖尿病があることが分かっている女性は、産後6〜12週目および6カ月目、あるいは臨床症状が出た場合には「甲状腺刺激ホルモンの計測をしなければならない」と指摘。甲状腺刺激ホルモンのレベルが上昇している人には、「しかるべき時にレボチロキシン治療について考えなければならない」と求めている。
内分泌学会は、USPSTFが甲状腺疾患のスクリーニングについてはもっと研究が必要だと言っていることには賛成している。医師と一般の人が甲状腺機能の検査や治療についてしっかりと話し合うように奨励している。
甲状腺の検査は日本でも注目されており、どのように運用するか考えるヒントになる。
文献情報
Endocrine Experts Support Screening for Thyroid Dysfunction in Pregnant Women.Endcrine Society Press Release. 2015 Mar 26.
http://www.endocrine.org/
引用元:
妊娠中で甲状腺の病気のリスクが高い人「甲状腺機能を調べて」、米国学会が勧告 (Medエッジ)