乳がんが脳に転移するのは、がん細胞が生み出す小さなリボ核酸(RNA)が脳の血管にある関門を破壊するためだと、国立がん研究センター研究所の落谷孝広・分子細胞治療研究分野長や富永直臣研修生らが6日までに、英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに発表した。
乳がんの治療が進んでも、脳に転移していないかどうかを頻繁に検査するのは難しい。この小さなRNA「miR―181c」の血清中の量を測定すれば、脳転移を早期に発見できる可能性があるという。
miR―181cは、がん細胞が分泌する顆粒(かりゅう)に含まれ、脳血管で関門の役割を果たす内皮細胞同士の結合を弱めて、がん細胞の浸潤を促す。内皮細胞の骨格はアクチン線維でできており、細胞同士の結合にも重要な役割を果たしている。
細胞株を使った実験で、miR―181cが間接的にたんぱく質「コフィリン」を活性化してアクチン線維を壊すことが判明。マウス実験でも確認できた。乳がんが脳に転移した患者の場合、血清中の顆粒に含まれるmiR―181cの量が転移していない患者に比べて多いことも分かった
引用元:
乳がん脳転移、早期発見期待=RNAが関門破壊―国立がんセンター(科学(時事通信))