子育てはわが街で――。子どもの医療費助成制度をめぐり、府内の24市町が今年度中の制度拡充を決めている。寝屋川市と豊能町は府内で初めて対象年齢を18歳までに引き上げるなど、充実した制度で子育て世代の呼び込みを狙う。背景には少子化による人口減で自治体の存続が危ぶまれている現状がある。
 寝屋川市は、小学6年までだった通院時の医療費助成の対象を7月から18歳までに一気に拡大する。14年度補正予算で拡大分の1億5925万円を計上した。

 見直しのきっかけは、昨年5月に有識者らでつくる民間研究機関「日本創成会議」が出した試算だった。同市は2040年までに若年女性の減少率が50・9%に上り、「消滅可能性都市」=キーワードに挙げられた。馬場好弘市長は2月の予算会見で「これからは子育て世代を大切にしていかなければいけない。未来の宝、社会の宝である子どもを大切にしたい」と説明した。

 貝塚市は今月から、阪南市は7月から就学前までだった助成対象を小学6年までに拡大。さらに守口市、熊取町は今月から中学3年まで、豊能町も7月から18歳までに拡大する。大阪市は中学3年までの上限を変更しないが、所得制限を緩めることで枠を広げる。

 小学3年までだった上限を12月から中学3年までに引き上げる枚方市の担当者は「経済的負担を軽減することで子育て世代にも選ばれる街を目指す」とその狙いを話す。こうした助成制度の拡充は、府内43市町村のうち半数以上の24市町に上った。

 府によると、こうした動きの背景には、乳幼児医療費助成を実施する市町村への府の補助金の枠を今年度から拡大する方針を示したことが挙げられるという。通院では交付対象の年齢を従来の2歳までから6歳までに引き上げた。さらに、医療費助成を含む子育て支援全般を対象とした新たな交付金制度を設けたことも要因の一つと考えられるという。

 ただ、各自治体が独自に拡充した部分の財源についてはこうした補助金などでは賄えず、多くの自治体は厳しい財政状況の中でやりくりしているのが実情だという。府子育て支援課の担当者は「子どもを対象とした医療費助成制度は利用者が多く、経済的負担の軽減につながるとあれば、子育て世代に対して分かりやすいアピール材料になる。少子化が進む中、こうした世代を呼び込みたいという自治体の思いの表れでは」と指摘する。

 ある市の幹部は言う。「これはもう消耗戦だ。だが、やらざるを得ない」


引用元:
ドコ住む?自治体競争時代 子ども医療費助成で比較 大阪(朝日新聞)