乳がん研究用のアイフォーン(iPhone)アプリ「シェア・ザ・ジャーニー(Share the Journey)」が発表された。

 米カリフォルニア大学ロサンゼルス校のパトリシア・ガンツ氏らの研究グループが、同校のウェブサイトで2015年3月9日に報告している。同校の研究グループがアップル社と共同で作ったものだ。

変化を共有
 アイチューンズ(iTunes)のアップストア(App Store)でフリーダウンロードできるアプリ、シェア・ザ・ジャーニーは、乳がんの人の中に他の人よりも回復が早い人がいるのはなぜか、症状が徐々に変わるのはなぜか、症状を改善するには何が有効か、を理解することを目的としている。

 アップル社の「リサーチキット(ResearchKit)」と併せて発表されている。

 乳がんを治すために手術、放射線治療、薬物治療を経験した女性は、生活の質に影響を及ぼす症状や回復を妨げる症状を経験していることが多い。互いに状態をシェアして、大きなデータベースから学びを得ようというものだ。

 シェア・ザ・ジャーニーは米国に住む18歳から80歳の女性が利用可能で、実際に乳がんだったかどうかは関係ない。乳がんになったことがない人のデータは、どの症状が乳がんによるものなのか、どれが老化によるものなのかということを理解するために有益となるという。研究グループはスペイン語版も制作中で、研究を米国以外にも広げることを計画している。

「どんな人が治るのかを知りたい」
 「医師の診察を半年ごとに受けるだけでは追跡できず見逃してしまうような病気の変化や、時間単位、日単位、週単位での症状の状態や移り変わりに、私たちは興味がある」と研究グループは語っている。

 「このアプリを使うことで、何かおかしいというときに知らせることができ、本人の経験に関する貴重な情報を集めることができる。がんの現在の治療システムでは、こうした慢性的で長く続く症状を予測したり治したりすることはできない。しかし、回復する人としない人がいることについての理解につながる」とのことだ。

 乳がんを克服した女性にどう治療していくと回復につながるのか。その謎にアプリから迫れるかもしれない。Medエッジでビッグデータの活用に伴う倫理的な課題について伝えたところ(感染症予測など変える医療健康の「ビッグデータ」、倫理の課題は3つの視点でを参照)。別の視点からは繊細な情報を集めることに伴う倫理的な問題も出てきそうだ。

文献情報
Ganz P et al. UCLA cancer research pioneer works with Apple on mobile app to track breast cancer survivors’ experiences. UCLA, 2015 Mar 09

http://newsroom.ucla.edu/releases/



引用元:
女性の乳がんアプリから謎解く、UCLAが米アップル社と共同開発、「シェア・ザ・ジャーニー(Share the Journey)」(Medエッジ)