妊娠すると、食事や運動など生活の中で気をつけなければならいことが増える。その一つに挙げられるのが飛行機での移動だ。飛行中に産気づく心配だけでなく、渡航先の医療環境や、いわゆる"エコノミークラス症候群"にかかりやすいなどの問題もある。そこで英国産婦人科学会は、妊娠中の航空機搭乗に関してアドバイスするガイド「Air Travel and pregnancy(空の旅と妊娠)」を発表した。妊婦が飛行機に乗るのを避けるべきかどうかではなく、さまざまな危険性を詳しく紹介し、乗るべきかどうかを妊婦自身が決断する一助にするのが狙いだ。それを促す8つの質問も示している。
妊婦の不安に応える
妊娠中の女性は、喫煙や飲酒を控えるのはもちろんのこと、カエフィンや薬、サプリメント(栄養補助食品)、運動、自動車や自転車の運転などさまざまなことを制限した方がよいといわれている。飛行機による旅行もその一つ。それは、飛行中に産気づくことだけでなく、妊婦は深部静脈血栓症(DVT)、いわゆる"エコノミークラス症候群"にかかりやすいことや、渡航先での医療環境などもかかわってくるからだ。
でも、帰省や仕事などでやむなく飛行機に乗らなければならないとき、どうすればよいのか。そんな不安に応えてくれているのが、今回のガイド「Air Travel and pregnancy(空の旅と妊娠)」。妊婦のフライトについてのさまざまな疑問に回答している。
妊娠何カ月まで乗っていい?
同ガイドは「正常な妊娠ならば、妊婦自身やおなかの赤ちゃんにとて有害でない」とした上で、最も安全期間は「妊娠37週(10カ月)まで」「双子を妊娠している場合は妊娠32週(9カ月)まで」と助言。ただし、「多くの航空会社はこれ以前のフライトを認めていないので、飛行機に乗る必要がある場合は搭乗する航空会社に相談することが重要です」としている。
また、エコノミークラス症候群を避けるための方法として、4時間以上のフライトの場合はゆったりとした衣類と快適な靴を身に着け、30分置きに座席の周りを歩くこと、アルコールやカフェインを控えて水を飲むこと、段階的弾性圧迫ストッキングを着けることなどを勧めている。
さらに、妊娠中の搭乗を勧めない場合として,予定日前で出産の可能性が高まっている人,重度の貧血がある人,呼吸器や循環器に重大な問題がある人など挙げた。
決断のための質問8項目
同ガイドでは、こうした医学的なエビデンス(根拠となる研究結果)だけでなく,妊婦自身が乗るかどうかを決断のための、下記の8つの質問も紹介している。
1.なぜ自分が今,この時に飛行機で移動したいのか
2.飛行機に乗ることは本当に必要?
3.搭乗時間はどれくらい? 飛行機に乗ることで健康上のリスクは増えるのか
4.渡航時だけでなく戻ってくる時の妊娠週数は?
―妊娠週数が進むほど産気づくの可能性は高くなる
―乗る乗らないにかかわらず妊娠3カ月までの流産は多い(5人に1人)
5.予期しない妊娠中の合併症が起きた場合,目的地に対処できる医療機関があるか
6.予防接種や薬などの準備、主治医からの許可は得ているか
7.加入する旅行保険は妊娠中の出来事や予期しない出産が起きた際の新生児に対するケアを保証するものか? 妊娠中の旅行に関する保証内容は航空会社や保険会社によりかなり異なるので搭乗前に十分に確認しておくことも大切
8.自分の旅行計画について医師や助産師と話し合ったか、長時間搭乗することを考えている場合にはそのことを伝えたか
ガイダンスの最後の項目は「もし搭乗中に産気づいたら?」。この質問に対し、「その可能性は少ないものの,もしそうなった場合,安全な出産を助けられる訓練や経験のある乗客・乗員が同乗している保証はありません。その結果,機長はあなたを助けるために進路を変更する可能性もあります」との回答で結ばれている。
引用元:
妊娠中の飛行機は避けるべき!? 英学会がガイド発表(あなたの健康百科)