遺伝性疾患の一つで、高い確率で発症する遺伝性乳がんのリスクを下げるため、乳房を予防的に切除する手術が1月、道内で初めて北海道がんセンター(札幌市白石区)で行われていたことが分かった。手術を受けたのは遺伝子検査で陽性だった道央在住の女性3人。予防的切除は2年前、米人気女優のアンジェリーナ・ジョリーさんが受けて話題になった。道内でも乳がん医療の有力な選択肢として広がる可能性があるが、保険が適用されないなどの課題も残っている。
予防的切除は病巣がない乳房にメスを入れる点で、従来の手術と大きく異なる。道内でも実施例が出たことで、乳がんの医療は新たな段階に入った。
乳がんは女性の12人に1人が発症。このうち5〜10%は遺伝子変異が原因の遺伝性乳がんとみられる。その発症率は50歳までに33〜50%、70歳までに56〜87%に上るとの研究結果があるが、乳房を予防的に切除すれば、10%以下に抑えられるとされる。
北海道がんセンターは2010年に遺伝子変異の有無を調べる遺伝子検査を開始。昨年3月、陽性の人が希望した場合の乳房の予防的切除も院内倫理委員会で承認していた。
手術を受けたのは30代、40代、60代の3人。1人は過去に両乳房で相次いでがんが発症して片側を切除し、もう片側の温存手術を受けたが、遺伝子検査で陽性となり、残る乳房も切除した。他の2人は昨年、がんになった片側の乳房の温存手術を受けたが、遺伝子検査で陽性と分かり両乳房の切除、再建手術を受けた。
保険外の予防的切除は、再建費用も含め片側の乳房で約70万円、両側で約100万円かかる。(報道センター 須藤真哉、小森美香)<どうしん電子版に全文掲載>
引用元:
道内3人、乳房予防切除 遺伝性乳がん、北海道がんセンターで(どうしんウェブ)